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温泉学会 第21回兵庫・有馬大会開催にあたって

 

「有馬型温泉と温泉を活かした温泉観光まちづくり」

「日本列島の下には、日本海溝から太平洋プレートが、南海トラフからはフィリピン海プレートが沈み込んでいます。今回の報告では、天然のマントルの岩石を観察し、沈み込むプレートがマントルに海水を運んでいると提案しました」。(参考:2013年5月28日(米国東部時間)米国科学アカデミー紀要の電子版)

近畿地方には、兵庫県の有馬温泉や宝塚温泉、和歌山県の白浜温泉などに、炭酸ガスを含んで塩辛い高温の温泉があることが知られていましたが、温泉水の特徴は今回発見した海洋プレートからの塩水の特徴と一致し、海洋プレートからマントルを通って上がってきた流体と考えられます。

火山のないところで有馬温泉のように高温の温泉が沸くのは、なかなか解明されていませんでしたが、川本竜彦 理学研究科附属地球熱学研究施設助教、芳川雅子 同教務補佐員らの研究グループによって、沈み込むプレートから海水がマントルに加わる現象を発見し、新しい仮説が提案されました。

有馬温泉は、太古からこんこんと温泉が湧き出ています。江戸期から明治期の温泉番付では、西の大関として不動の地位を保って愛用されており、また、有馬温泉は、“万病に効く”ということで重宝されてきました。

Ⅱ〔緊急テーマ〕「広域災害と温泉観光地の復興」

本年4月14日の夜、熊本で大地震が起こりました。震源地は布田川断層帯と日奈久断層帯の境界地域で、マグニチュード6.5の断層型地震でした。東日本大震災の海溝型とは異なって阪神淡路大震災と同型の地震であり、温泉地への影響も少くありません。阪神淡路大震災の際に、住宅街の側溝から温泉が噴き出した、とかいう報道は記憶に新しく、また、有馬温泉のラジウム泉が湧出しなくなった(後年復活)ことなど、地震が温泉に影響を与えて湯量を左右することは、関係者の間では周知のことです。それは、地震が温泉に影響を与えるのは当然のことで、両者はその根元でつながっているからなのです。しかし、そのつながり方が、はっきりと分かっているわけではありません。地震を起こす断層が地中のマグマの動きに影響を与えることは推定できても、具体的に動きを予想することはできません。そもそも、温泉を変化させる原因である地震や噴火について、いまだにその動きをあらかじめ予測することはできていません。

そのことを端的に示すのは、今回の地震で使用された「前震」と「本震」という区別です。たしかに、最初の地震から2日後の16日午前1時に、マグニチュード7.3というより大きな地震が上記と同じ境界地域を震源地として発生しました。しかし、報道はすべて「余震」に気をつけてくださいということでしたので、最初の地震を下回る規模の地震が予想されました。ところが、あとの大規模地震の発生後に「前震」と「本震」という名称 が気象庁によって伝えられ、「本震」が必ずしも最初に来るわけではないということが、一般にも分かったわけです。

こうしたことは、専門家にはすでに知られていたという談話も出ているようですが、本 震があとから来るかもしれないというなら、そうした趣旨を報道にも十分に理解してもら っておくべきです。そうされなかったのは、専門家の間で意見の一致がみられなかったか らで、専門的な知見の不十分さによると思えるのです。もちろん、その責任は専門家にあるわけではなく、科学的知識がそこまで到達していないというだけの話です。(再構成:温泉学会ニュースレター 第20号 2016年4月26日)

Ⅲ 本大会の趣旨

熊本地震は「有馬型温泉と温泉を活かした温泉観光まちづくり」をメインテーマに準備していた時に発生しました。大きな人的・物的な被害を受け、心身ともにうちひしがれている被災地では、6月になり梅雨に入ろうというのに、復旧・復興への歩みは遅く、また、いまだに、余震におびえています。「ガンバロウ!熊本・大分」。

この「熊本地震」では、熊本・大分や周辺の温泉観光地は、大きな影響を受け、観光客の減少に大きな打撃を受けています。温泉学会の「使命」として、温泉観光地の復旧・復興支援があります。

そこで、〔緊急テーマ〕として「広域災害と温泉観光地の復興」を掲げて大会を開催します。本大会を開催する神戸市の有馬温泉では、「有馬型温泉」を活かしたまちづくりをすすめていますが、21年前には、阪神淡路大震災で被災しました。そこから復旧・復興、「風評被害」の克服等を経験してきたところです。

また、温泉学会としては、過去には、「広域災害」について論議し研究してまいりました。たとえば、第12回宮城・鳴子大会(2112.2.28~3.2)では「地震と温泉-岩手・宮城内陸地震から何を学ぶか-」(共通論題)、第18回岩手・鶯宿大会(2013.9.7~8)では「被災地で温泉文化を考える」という大会テーマで被災地支援企画を実施し、論議を進め、東北にエールを送り続け、学会活動に邁進してきたところです。

今大会では、大会テーマとして、「有馬型温泉と温泉を活かした温泉観光まちづくり」をメインとするもので、川本助教等の実証研究を主導された地質学の第一人者である国立研究開発法人産業技術総合研究所・風早康平深部流体チーム長をお招きして、この“有馬温泉の謎”を明らかにしていただき、“温泉そのもの”を解明するとともに、それを「温泉地まちづくり」にどう活かすか、また、今まで地元有馬温泉の皆さんが行ってきた「有馬温泉の活性化策」を振り返り、明らかにされた“有馬温泉の謎”を確実なものにし、その特性を活かした「有馬温泉の振興策と将来展望」を検討ものです。

そのメインテーマに先立って、〔緊急テーマ〕として「広域災害と温泉観光地の復興」を掲げ、温泉学会の英知を傾けて、阪神淡路大震災や東日本大震災被災の経験と復旧・復興の方策を学び「熊本地震」によりもたらされた「広域災害」と「温泉観光地の復興」について検討し、「広域災害と温泉観光地の復興」を支援するものです。

 

第21回兵庫・有馬大会実行委員会

 

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